高校生の英語①
-東大や医学部受験に向けても、4技能を問う民間テストにも、特別な対策はいりません。
普段のグノでの学習はその先を見据えたものだからです-
普段のグノでの学習はその先を見据えたものだからです-
はじめに
時間の奪い合いのような日常の中で、グノーブルではじっくり落ち着いて考えられる、知的に静謐な授業環境を生徒に提供しようと心掛けています。
Q:まずはグノーブルでの高校生の英語の学習についてお聞かせください。
グノーブルの英語は高校2年生までは週1回2時間授業ですが、高校2年生の年明け1月から始まる新高校3年生のカリキュラムでは「読解」と「英作文・文法」それぞれ2時間の授業に分かれます。
「英作文・文法」に関する取り組みは担当の講師に譲るとして、私からは英語科の責任者として、グノーブルの英語の学習全般についてお話ししたいと思います。
Q:先生は現在何年生を担当されているのでしょうか。
高2生と高3生の「読解」の授業です。
Q:そうした生徒たちに対してどのようなことを心掛けて接していらっしゃいますか。
学校での勉強、行事や部活、周りの友だちとの交流、習い事や塾、テレビやSNSやその他様々な趣味など、生徒たちは慌ただしく多忙な毎日を送っていると思います。
もちろん、そうした中で常に豊かな経験を得ることができていれば、全く問題はありません。しかし、往々にして時間の奪い合いのような状況の中では、じっくりと何かに沈潜する経験は難しく、また、精神的にも肉体的にも表面的な慌ただしさの中で疲弊してしまわないかと心配になることもあります。
だからこそグノーブルでは、生徒たちがじっくり落ち着いて考えられる、知的に静謐な授業環境を提供しようと心掛けています。授業時間は限られてはいますが、深く没頭できる題材を用意し、さらに電車の中でも、自分の部屋やお風呂の中、ベッドの上でも考え続ける経験を重ねてもらえればと考えています。そのため、単なる作業としての宿題を大量に与えるようなことは控えたいと思っています。
また、目先のテストで得点することを目標にするのではなく、将来役立つ英語力の涵養を重視しています。また、英語力そのものを高めることが、テストでの高得点への近道です。
今回はこうしたグノーブルの学習の取り組み方と、どうしてそれによって難関大学に合格できる高い学力と英語力が身につくのかについてお話しできればと思います。
英語の指導法1【授業内の演習について】
生徒たちが取り組む演習、私たち講師の添削、解説時のやりとり、これらすべてが生徒と講師の「知の真剣勝負」、「グノーブルの生命線」です。
Q:高校生の授業も中学生同様、演習から始まるのでしょうか。
はい。ただし、中学生の場合は前回までの内容を元に演習を組んでいることが多いと思いますが、高校生の場合は、初見の英文の要約(Summing-up Laboratory)や和訳・英訳にまず取り組んでもらいます。
Q:演習問題は冊子状のテキストではなくプリントがその場で配付されるそうですが。
そうです。これはなるべく新鮮な教材に取り組んでもらうという意図があります。今日はどんな問題に出会えるのだろうと期待が持てれば、授業が始まった瞬間から全員の目がさっと教材に向かい、教室全体の空気が一瞬にして引き締まります。
そのため、使用するプリントは生徒たちの興味を惹きつけられるような、世界でリアルタイムに起こっていたり、話題になっている事柄に関する英文をどんどん取り入れるようにしています。
Q:演習後の答案の採点、解説はどのように行われるのでしょうか。
演習した答案は、私たちがその場で添削をして返却します。その後、全員の添削内容を踏まえて痒いところに手が届くことを心掛けて解説に入ります。解説はもちろん生徒たちと私たち講師がやりとりをしながら、インタラクティブに進みます。
この授業内の演習を軸とした仕組みは「グノーブルの生命線」です。生徒たちの演習、私たち講師の添削、解説時のやりとりすべてが生徒と講師の「知の真剣勝負」と言えます。授業の筋書きはその場で刻々と変わり、授業が終わってみると全く予定調和ではない、その日だけのドラマが誕生しています。
Q:提出した答案がすぐ添削されて、返却直後に解説授業が始まるというのは大変スピーディーですね。
これは生徒と私たち講師とが向き合い、生徒がより成長するきっかけを見つけてもらうための工夫でもあります。演習の最中に生徒が感じる手応えや、添削時に私たちが書き込むコメントからも生徒が自身の課題に気づくことができるでしょう。
また、解説時にやりとりをしていると、時には私たちも感動するような素晴らしいことを発言してくれる生徒がいます。そんな時には、いつも以上に周りの生徒たちの心は揺さぶられているでしょう。大人からの刺激よりも、同年代からの刺激はより大きな影響力を持つことが多いと思います。
Q:1コマ2時間の授業というのは長くないのでしょうか。
もし、授業が先生の説明を受身の姿勢で聞きながらノートをとるばかりであれば、長く集中し続けることは難しいでしょう。
しかし、グノーブルの場合はすぐに添削対象となる演習課題にクラス全員が取り組むので、そこには自分の力試し+他の人との競争の要素が加わり、前向きな気持ちが働きます。
しかも、解説時には私たちがどんどんあてますから、生徒の皆さんの側では問題演習時に自分なりによく考える必要も生じます。真剣に問題演習をしていれば、疑問点もいろいろ出てきます。その疑問が直後の解説で解消されるので、解説を聞くときも積極的になれます。
多くの卒業生がグノーブルの授業を「あっという間」だったと言ってくれています。グノーブルの高校生の授業は中学や高校の50分よりも、大学の90分よりも長く、1コマ120分です。集中力と持続力をグノーブルの授業でぜひ養ってください。
さらに言えば、この集中力と持続力を養えば、その力は将来の人生の中でも間違いなく大きな役割を果たすことになるはずです。新しいものを生み出すにも、大きなことを成し遂げるのにも、これらの力が鍵になるはずです。
英語の指導法2【添削について】
添削によって生徒の皆さん一人ひとりとつながり、その成長を個別に支援することができるようになります。
Q:添削についてどのようなものか教えてください。
これは授業の最初に行う演習プリントの添削例です。だいたい15分で取り組んでもらい、30~35分後くらいにはこのように添削されたものが生徒さんに返却されます。
採点は10点満点としていて、黒板にクラス全体の得点分布などを発表しています。
Q:どうしてグノーブルでは添削を重視しているのでしょうか。
こうした、授業内添削以外にも頻繁に添削を行うのがグノーブルの特長です。添削によって生徒の皆さん一人ひとりとつながり、その成長を個別に支援することができるようになります。添削によって20人なら20人と会話をしているイメージです。
また、時には添削のやりとりが、生徒と私たちの交換ノート的な役割を果たすことさえあります。様々な質問や相談がそこに書かれていることがあり、その場合には、コメントを残したり、授業後に声を掛けたりして対応させていただいています。出来の良かったプリントや、私たちが良いコメントを書かせていただいた場合には、そのプリントが受験の「お守り」代わりになることもあるようです。
Q:生徒にとってかけがえのないものになる場合があるのですね。
実は、教える側にとっても、添削は次の授業や教材開発へのヒントがたくさん得られる貴重なものです。また、同じ生徒の答案を数か月、場合によってはそれ以上の期間にわたって見させていただく中で、時に急激な伸びを感じたり、確かな成長が見えたりすることもあります。こうしたことは、私たちにとっても何よりの喜びでもあるのです。
英語の指導法3【音声教材「GSL」について】
文法と語彙の両輪をそろえただけではまだノロノロ運転のレベル。ここに「GSL」というエンジンを積むことで、高速で走り出すことができるようになるのです。
Q:グノーブル独自の音声教材「GSL」について教えてください。
Gnoble Sound Laboratory(GSL)はグノーブルの使用教材とリンクしたオリジナル音声教材です。グノーブルには、授業で理解したことをこの音声教材「GSL」を聞きながら反復することで身につける「復習の仕組み」が構築されています。
Q:音声教材「GSL」はどのような内容が収録されているのでしょうか。
中学生までは、テキストに出てくる文法事項などに関する例文が音声の中心ですが、高校生になると、授業で扱った長文が題材になっています。
Q:グノーブルではこの音声教材「GSL」に基づいた音読を重視していますが、その効用や理由を教えてください。
音声を聞き、正しい方法による音読の習慣が身につくことで得られる効用は、実は非常に多岐にわたるのですが、主なものは以下の3点です。いずれも大学受験のみならず、本質的な英語力を獲得することにつながります。
1.声に出して読むときは右から左へのいわゆる「返り読み」をしていないので、英文の情報を「表現の持つ意味の単位で区切って、出てくる順番に頭の中に入れる」ことができるようになります。これは英文を頭から1回読んだだけで理解できる力につながります。
2. いちいち日本語に置き換えることなく英文の意味を英語のまま捉えられるようになります。これはより速く多くの英文を読むことができる力につながります。
3.「目」だけでなく「口」と「耳」も使っているので、文法・語法・語彙が記憶に残りやすくなります。これは英語力の全体的な向上につながります。
よく車の両輪にもたとえているのですが、英語にとってそれは文法と語彙だと思います。この両輪をそろえることはもちろん大切ですが、ここが固まってきたとしても、車はノロノロ運転のレベル止まりです。ここに音声教材「GSL」というエンジンを積むことで、高速で走り出すことができるようになります。まず最初の効果としてリーディングスピードが画期的に速くなるでしょう。
なお、【 耳や口を鍛える重要性について】はこちらで英語科の清水も説明しているので、ぜひご覧ください。
Q:生徒は音声教材「GSL」をどのように取り組んでいるのでしょうか。
生徒自身でウェブサイトからダウンロードし、宿題として取り組んでもらいます。
今はスマートフォンに入れて聞いている生徒が主流なので、授業を受けて校舎を出たところから、スマホで音を聞き始め家に帰っていく生徒もいます。また、電車の中でも聞いていますし、中には車内でわざわざマスクをしてぶつぶつつぶやきながら乗っているという生徒の話も聞きます。最寄駅についたらマスクを外して元気よく声を出しながら帰っていく生徒もいます。ただし、帰宅するのは夜なので、あくまで近隣の方の迷惑にならない範囲でですが(笑)。
それから生徒には最近、3Bを活用するよう勧めています。
Q:3Bとは何でしょうか。
「机に座っているだけが勉強ではなく、いつでもどこでも音声を聞き、音読をしよう」ということを伝えるための標語のようなものです。お風呂(bath)、寝室(bedroom)、バス(bus:公共の交通機関という意味)の3Bです。
また、意外とお手洗いの中が狭くて集中できるという生徒もいます。
また、意外とお手洗いの中が狭くて集中できるという生徒もいます。
Q:どのような点を意識して音読をすると効果的なのでしょうか。
授業で理解した英文をだれかにプレゼンしているように読むことを勧めています。その英文を書いた本人になりきって、主張したい核心部分では力をこめ、例を挙げている部分は表情豊かになど、気持ちを込めることがコツです。目安は集中した状態で30分1セットを習慣化してほしいと思います。また長期休みの日や調子が乗って気分の良い日は1日2セット以上取り組んでも良いですね。
音読を続け、ある程度英語らしく発音できているという実感が持てるようになると、それを楽しいと感じる時がやってきます。この楽しくなるというのはとても重要で、逆に楽しくなければ単にやらされているだけになってしまいます。
Q:音声教材「GSL」は生徒にとって様々な効果があるようですね。
最上級生ともなれば、本格化する部活動の練習や対外試合で忙しく、また体育祭・文化祭で重責を担っていることも私たちは理解しています。そのような少し英語から離れていた生徒さんにとっても、いち早く英語の感覚を取り戻す強力なペースメーカーとして、「GSL」が活躍してくれます。
また、グノーブル生の中には帰国子女の生徒もいますが、流暢な英語力をすでに手に入れている生徒にとって、「GSL」は一段と深い思考力を磨くツールにもなっています。
間違いなく、グノーブル生が目指す主要大学側は、日常会話レベルのコミュニケーション力であるBICS (Basic Interpersonal Communicative Skills)よりもむしろ、認知的・学問的な言語能力CALP(Cognitive Academic Language Proficiency)の方を重視しています。
「4技能」という言葉だけが先行し、入試制度改革でその本質を問うことが感じられない一方で、大学側は抽象度の高い内容の文献を読み、論文を書いたり、プレゼンしたりする素養を入試で問うているのです。
毎日、音声教材「GSL」を手本に自然な英語に触れながら「目」「耳」「口」をフル活用して、味わい深く知的に高度な英文を生き生きと音読することで、「英語脳」が養われていきます。
私が担当する高校2年生の段階でも、帰国子女でもなく、特別な対策を施したわけでもないのに、英検1級に到達したり、TOEICなど各種試験でハイスコアをあげたりする生徒が現れます。
さらに大学進学後は、外国語を最高レベルで履修できたり、自身の英語力が「帰国子女」と疑われたり、模擬国連や日米学生会議など多方面で教養や深みのあるプレゼンを披露したりとグノーブル卒業生たちの活躍は枚挙にいとまがありません。東大の教養学部で必修になっている英語で行うプレゼンテーションにおいても、グノーブル出身生は英語を堂々と話せるという報告をよく聞いています。
グノーブル生には、日々の「目」「耳」「口」を活用した音読トレーニングを通して、英語のエンジンが搭載されている証拠だと確信しています。
Q:継続のために大切なことは何でしょうか。
毎日コツコツ何かを続けていくためには、その背景に楽しむ気持ちが必ず必要です。英語の場合は、英語の音を自分で声に出せるようになると楽しいという気持ちが生まれ、音読するのも苦でなくなります。それが続ける原動力になるのです。
学ぶことの楽しさという観点から言えば、それまで知らなかったり、よくわからなかったことが、整理できたり体系化できて理解できるようになったときは素直にうれしいですし、さらによく知りたいという意欲が湧いてくると思います。音読に限らず、生徒たちにはグノーブルでの学習を通してこうした体験を積み重ねていってほしいと思いっています。
英語の指導法4【英単語の学習法について】
単語のイメージを自分の中でより豊かで的確なものに育てていけば、その言葉は本当に自分のものになり、あらゆるところで使いこなせるようになっていきます。
Q:大学受験では数多くの英単語を覚える必要がありますが、どのようにして習得すればよいのでしょうか。
まず、大学受験に向けての学習の中で、丸暗記でなくて本質を学ぶ姿勢を持つというのはとても大切なことです。このことは数学の公式に関してはよく言われるのですが、残念なことに英単語に関しては、いまだに単語帳で暗記することが主流となっています。
おそらく今、英語を教えている先生方や保護者の方々の中にも、単語帳を覚えることが英語の勉強だというイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、グノーブルでは英語と日本語の1対1対応で語義を覚える勉強をおすすめしていません。なぜなら単語の語幹の意味を把握し、その語の本来持つイメージを自分の中でより豊かで的確なものに育てていけば、この言葉は本当に自分のものになり、あらゆる文脈の中で使いこなせるようになっていくからです。
Q:語幹を把握するというのは、具体的にはどういうことなのでしょうか。
例えば、5月の母の日にはカーネーション(carnation)を贈る習慣があります。この単語の“carn”という部分はラテン語でお肉を表す語幹です。これは、“carnivore”(肉食動物)だったり、“carnival”(謝肉祭)であったりと派生します。カニバリズム[cannibalism(人食い)]なんてちょっと怖い単語もあります。
実はこのカーネーションは、肉色の花弁を持つ花という意味なのです。“carn”という語幹から様々な単語が連なっていきます。
ちなみに、これは卒業生がグノーブルで学ぶ中で作っていた数多くの「語源ノート」のうちの1冊を、卒業のときに提供してもらったものです。従来の単語帳のように無味乾燥な羅列の中から単語を覚えるよりも、このように写真や映像を見るように想像力を刺激すれば、その語のイメージをより豊かにしやすいと思います。
大切なことは、語幹の意味を把握することです。そして実際の英文を繰り返し黙読、音読することで、その言葉の文脈に応じた使い方を自分の中でしっくりくるようにしていくことです。
こうすることで、英単語に対して日本語で1対1対応する訳を何千も機械的に暗記するというのでは得にくい、英語を適切に使える力を身につけることができます。
また、高校2年生くらいからは、英英辞典の活用も勧めています。
Q:英英辞典を勧める理由は何でしょうか。
実際に手元にあるのですが、コンパクトなので大きなポケットならぎりぎり押し込んで持ち運びできます。ネット書店で1000円台で購入できる手に入りやすいものです。グノーブルでは高校2年生になると生徒たちの机に並び始めます。
例えば、gravityという単語があります。英語で「重力」を説明しなさいと言われると、ちょっと躊躇すると思いますが、英英辞典だと
“the force that draws objects in space toward each other.” (空間にある物体をお互いに引き合う力)とあり、ほぼ中学生レベルの平易な英単語で書かれていることがわかります。
“the force that draws objects in space toward each other.” (空間にある物体をお互いに引き合う力)とあり、ほぼ中学生レベルの平易な英単語で書かれていることがわかります。
抽象度の高い単語でもとてもすっきり説明されているので、英語ではそういうふうに表現するんだ、という発見が常に感じられると思います。こうした単語帳では決して味わえない能動的な発見は表現力を増す大きなきっかけになっていくと思います。
英語力が一定のレベルになったら、語幹を正しく理解するためにも、英英辞典をメインに活用していくのが良いでしょう。
志望校に向けた学習について
大学入学後までを見据えたグノの教材、学習法をしっかり理解した上で進んでいってほしいと思います。
Q:東大や医学部受験に向けて対策のようなことを行っているのでしょうか。
例えば、東大の入試は毎年ほぼ形式が固まっていて、1番の300ワードくらいの英文の要約から始まり、さらにワード数の多い長文の読解、英作文、リスニング、和訳など、多岐にわたる問題を2時間で解くことになります。一見すると相当な分量を時間内に解かなければなりません。
ただ、毎年受験生から聞くことは「グノの授業の方が手強かった」ということです。普段は学校に行ったあとで、高校3年生なら英作文2時間、読解2時間、さらに少し延長もある授業でがんばるわけですからね。
試験自体の内容としても、単に知識の暗記が求められているわけではなく、相手の主張を誤解や曲解なく理解し、それを第三者に正しく伝える力や、英語を英語のまま高速かつ論理的に読む力などが試されます。こうした力は東大のみならず、医学部や難関大学では当然必要とされます。
グノーブルでは東大や医学部だから特別なことをするというよりは、普段の塾での学習自体がすでにそうした要求に対応できるように組み立てられています。受験生が一番対策をしにくいような要約や英作文だったり、深い教養や背景の理解が必要な英文の読解、リスニングなどを毎回あたりまえのように学習しています。
さらに言えば、英語の場合は、理系/文系とか私立/国立などによるコース分けすら行っていません。直前期まで、医師を目指している人も文系的な哲学書や歴史物を、また私立文系志望の生徒でもiPS細胞だったり、宇宙物理学の内容を読んでもらいます。理系/文系などの垣根を越えて、あらゆる分野に興味関心を持てるようになってほしいと思っています。
Q:大学入試ではそういう幅広い興味関心が必要とされるということなのでしょうか。
例えば、理系だからといって科学や医学に関連したテーマのみを出題するというようなことは、極めて少なくなっています。大学にとっては、多角的な視野を持った学生というのが欲しい人材なのではないでしょうか。
また、英文が高度になるほど、その文章の背景にある前提となっている事柄の理解が欠かせません。こうした話を始めると生徒たちは余談と受け取るようですが、それを聞くみんなの顔はたいてい生き生きとしています。英文の理解が深まり、その奥にあるものが見えてくることを喜ばない生徒はほとんどいません。
大学教育の中でよく聞かれるようになった「リベラル・アーツ」という言葉は「一般教養科目」とも訳されますが、その原義は「人を自由にする学問」です。幅広い教養を身につけるからこそ、理解や思考の自由が獲得できます。グローバル化が加速する現代において、英語で教養を身につけることは、受験という枠を超えて、生徒の将来のためにも必ず役立つことだと思います。
Q:志望校の過去問はどのように取り組めば良いのでしょうか。
今までお話ししてきたように、グノーブルの学習法で学べば、高い英語力がしっかり身につくので、例えば志望校の過去問を25年分解かなければいけない、というようなことはありません。
入試日が早いAO入試などは別ですが、一般的には11月下旬から12月頃に取り組んでもらい、答案を提出、添削して返却ということをしています。
適切な教材がなかったり、入試のことだけを考えた場合、時に過度に過去問や単語帳での学習が強調される場合があります。
しかし受験勉強というのは、実際に大学に入ってからさらに学力を高めていく土台をつくるためのものです。合格は最終目標ではなくひとつの過程にすぎませんので、さらに高みを目指せる基礎学力を身につけるためにも、その後の英語力までを見据えたグノの教材、学習法をしっかり理解した上で進んでいってほしいと思っています。
これからグノーブルで学ぼうと考えている皆さんへ
時間を忘れるような体験や、終わったあとの充実感をぜひグノーブルの授業で味わってほしいと思います。
Q:季節講習はどのような内容なのでしょうか。
高校生の英語の場合、講習はどちらかというと、直前の数か月間の通常授業の応用的な問題に挑戦してもらうような内容になっています。ここで課題を発見してその後につなげていくような流れになります。
講習から受講を始める生徒も多いです。が、講習中の読解プリントにも音声教材「GSL」が対応しているので、グノーブルの学習システムに慣れる意味でも、まずは講習を受講してほしいと思います。
Q:英語が苦手だったり、勉強に取り組むのが遅れてしまった生徒は何を受講すれば良いでしょうか。
中学3年生の冬期講習から高校2年生までの各季節講習時にはそれぞれ全4日間の基礎英文法講座「EGGS」を開講します。基礎となる英文法に不安を感じている方を対象に、英文法の土台を速習することができるので、ぜひ活用してほしいと思います。
「EGGS」の教材もすべて音声教材「GSL」が対応しています。最初は「EGGS」から入塾した生徒さんでも、最終的に毎年東大や一橋大、国公立大医学部などをはじめとした難関大に多く合格をされています。
Q:最後に、これから学ぼうとする方々へメッセージをお願いします。
先ほど120分の授業が決して長いとは感じないというお話をしました。ユング心理学では、夢中になってあっという間に過ぎると感じる心理的時間をカイロス時間といって、物理的に計測できるクロノス時間とは区別するそうです。
クロノス時間を忘れてしまうような授業が実現できれば、生徒皆さんの頭は活性化されて理解も深まり、授業後には元気な気持ちにすらなれるはずです。ただ解説を聞くだけでなく、能動的に参加する中で得られる、時間を忘れるような体験や、終わったあとの充実感をぜひグノーブルの授業で味わってほしいと思います。