-大学受験に向けた最初の段階の正しい学習法をグノーブルで身につけてほしい-
英語科 清水 誠
英語科 清水 誠
中学部英語の指導方針
無味乾燥な学習を強いることなく、生徒たちの学ぶ意欲を伴った主体的な学習ができるように心を配っています。グノーブルでの学びが大学生活や社会に出たあとの人生を切り拓く強さにつながってほしいと思います。
Q:清水先生は現在何年生の授業をご担当されているのですか。
中学1・2年生と、高校1・3年生です。
Q:中学生、高校生ともに授業を担当されているのですね。
 はい。グノーブルでは中学生を教える先生であっても、大学受験までを見据えた指導を行います。グノーブルは中高一貫校の生徒さんが多く通う塾なので、中高6年間を通して一貫した学習システムが確立しており、教える私たち講師陣もそれに沿った指導をしているのです。
Q:今日はその中で中学生の英語に関する内容について教えてください。
 グノーブルは大学受験の合格を目指す学習塾ではありますが、受験にしか役に立たないような無味乾燥な学習を強いるようなことはなく、生徒たちの学ぶ意欲を伴った主体的な学習ができるように心を配っています。ここで培った学力、学ぶことに対する意欲が大学生活や社会に出たあとの人生を切り拓く強さにつながってほしい、それが私たちの願いです。
 中学生は大学受験の学習という意味ではごく初期の段階ですが、だからこそ一番最初の段階で正しい学習方法を身につけてほしいと思います。
グノーブルの授業
授業内の質問や添削を通して生徒一人ひとりの課題を見極めた上で授業をしています
Q:最初に塾での授業はどのように進んでいくのか教えてください。
 中学1・2年生は通常時は18:00から授業が始まります。この学年はWティーチャー制をとっていて、1回の英語の授業を前コマと後コマに分け、異なるふたりの講師がそれぞれ授業を担当していきます。これには関わる講師が増えることで生徒の様子を複数の視点から見ていくことができる、また生徒の方からも質問できる講師が増えるというメリットがあります。
Q:前コマと後コマの違いは何でしょうか?
 前コマの授業ではまず最初にプリント演習を行います。内容は先週以前の学習内容についての文法、英作文・和訳・読解等です。グノーブルの英語では開始直後から全員集中して取り組み始めます。
 ひと通り解き終えたところで答え合わせと解説、それから添削をしていきます。中学1・2年生は文法に関する出題が多いのですが、答え合わせは生徒に質問しながら進めることが多いですね。大体、1回の授業で生徒ひとり5回、多いときは10回以上答えてくれる場合もあります。英作文や和訳などの記述式のプリントがある場合は回収し、教室で講師が添削をします。こうした質問や添削を通して、生徒一人ひとりの課題を見極めた授業をしていきます。
 後コマでは文法の新単元を黒板を使って説明します。ここでも一方通行の授業にならないよう生徒と対話しながら双方向の授業を心掛けています。
 授業の最後は「お帰り問題」と称して、自宅で取り組んでもらっている音声教材Gnoble Sound Laboratory(以下、GSL)の学習定着度を確認する書き取り問題を行います。書き取れた生徒から授業終了となります。
英語の指導法1【音声教材「GSL」について】
本質的な英語力を身につけるため、全学年にわたりグノーブル独自の音声教材を用意しています
Q:音声教材「GSL」について教えてください。
 グノーブルでは英語の音声面(聞く、音読する)を重視しているので、中学1年生から高校3年生までのすべての学年において授業とリンクした音声教材をウェブサイトから配信しています。中学生の場合、授業で「理解」した文法のポイントなどをしっかり「身につける」ために、聞き方や、取り組み方まで確かなメソッドに基づいて丁寧に指導しています。
 また、音声教材を利用して音読を行うことには、各単元を習得するということ以上の効用があります。
Q:音読の効用、それを重視している理由を教えてください。
 正しい方法による音読の習慣が身につくことで得られる効用は、実は非常に多岐にわたるのですが、主なものは以下の3点です。いずれも大学受験のみならず、本質的な英語力を獲得することにつながります。
1.声に出して読むときは右から左へのいわゆる「返り読み」をしていないので、英文の情報を「表現の持つ意味の単位で区切って、出てくる順番に頭の中に入れる」ことができるようになります。これは英文を頭から1回読んだだけで理解できる力につながります。
2.いちいち日本語に置き換えることなく英文の意味を英語のまま捉えられるようになります。これはより 速く多くの英文を読むことができる力につながります。
3.「目」だけでなく「口」と「耳」も使っているので、文法・語法・語彙が記憶に残りやすくなります。これは英語力の全体的な向上につながります。
Q:「GSL」は具体的にはどのように取り組むものなのでしょうか?
 ウェブサイトからそれぞれの生徒がダウンロードして各ご家庭で取り組んでもらいます。以前は携帯型のオーディオプレーヤーが多かったのですが、今はスマートフォンに入れて聞いている生徒が主流です。手始めに、繰り返し聞くだけなら電車の中でも可能です。
 音読の方法については、高校生は読解問題の本文を気持ちを込め、誰かに伝えるように読むよう指導していますが、中学生は例文の多くが文法に関するものなので、気持ちの点はまだそれほど前面には出てこないかもしれません。
 ただし、文法事項であっても音声を聞き、自ら発音して理解を定着させることで、今後、英語を自在に使えるようになるための基礎を身につけることができるのが、グノーブルの中学生の学習の特色です。
英語の指導法2【文法の学習について】
文法の学習であっても、生徒の皆さんの知識が有機的なつながりを持てるようになることを目指しています。

Q:中学生への文法の指導ではどのようなことを注意されているのでしょうか?
 授業ではそれぞれの学年に合わせて、英語の本質を理解できるような指導を心掛けています。
 例えば不定詞(to + V原形)はよく「未来を表す」と説明されますが、実は、 “I go to the station on foot.”(私は歩いて駅へ行く)という英文の中にある前置詞のtoと共通のイメージを持っています。それは「ある地点に向かって行き到達する」という感覚で、このイメージが不定詞のtoにもそのまま活かされています。“Don’t forget to hand in your report.”といったら、これから「レポートを提出すること」に向かって行き到達するのを忘れないで、ということを言っています。
 また同じように動名詞(動詞の ~ing形)の学習をするときも、生徒の皆さんがすでに知っている基本的な知識と結びつけて説明することができます。動名詞のイメージは “I am studying math.” (私は数学を勉強しています)と言う場合の「be + ~ing」と共通しています。この英文は「今まさに数学に取り組んでいる、すでに数学の勉強を開始している」という「現在していること」や「過去にしていたこと」を話者が頭に思い描いていることを伝えているので、“Don’t forget studying here with me.”「ここで私と勉強をしたことを忘れないでね」という文法的には動名詞といわれる「すでに行っている」過去の内容を表せるのです。
 このように私たちは生徒の皆さんの知識が有機的につながりを持つことを目指しています。そして授業の中でつながりを持って理解した知識を、音声教材「GSL」を活用して授業のない日も体になじませることができる仕組みがグノーブルにはあります。
英語の指導法3【なぜネイティブ講師がいないのか?】
「日本語話者の英語力を高いレベルへ成長させていく過程」では、日本語で教えるということが最も効率の良い方法なのです。
Q:音声教材「GSL」はネイティブのナレーターの音声である一方、講師にはネイティブの方がいらっしゃらないのはなぜでしょうか。
 ネイティブの先生とやり取りを重ねていくことで、英語を使う度胸が身につくという心理的な効果などはあると思います。
 しかし、ネイティブの先生がすべてにおいて万能であるというのは幻想にすぎません。日本語を言語として専門的に研究してきたわけではない多くの日本人が、第二言語として日本語を学習している人々に、「は」と「が」の違いを教えることができないのと同じことです。
 日本人講師のメリットは、日本におけるほぼすべての英語学習者と同様に、第一言語が日本語であり、語彙、文法、文章構成の仕方、発音にいたるまで、第二言語として英語を学習した経験を持っているという点にあります。つまり日本人講師は、母語と英語を区別しながらどう英語のスキルを構築していくのかという点に習熟しているということです。
 これは意外にも発音という点でとりわけ強みを発揮します。ある程度日本語の発音が固まっている日本語話者はどうしても「カタカナ発音」に引きずられてしまいます。「カタカナ」と「英語」の発声がどう違うのかを、英語の初学者に日本語で説明するのは大多数のネイティブ講師には難しいことです。
Q:日本人が英語を学ぶためには日本人講師が適しているということですね。
 さらに言えば、英語を学ぶ大多数の中学生にとって、細かい内容を英語だけで理解することはとてもハードルの高い作業です。例えば “leave”という動詞を取り上げてみましょう。
 中学生が最初に英語学習をする中で知る使い方は、“I leave home at seven in the morning.”のように「出発する」「離れる」というものですが、この「離れる」という内容には「家をあとに残していく」という感覚が含まれています。この「あとに残していく」というイメージが、“I sometimes leave my umbrella on the train.” のように「置き忘れる」という使い方につながり、“Don’t leave the door open.”のように「ほったらかす」という意味を生んでいます。このような「ネイティブ感覚」を英語のみで理解してもらうのは英語学習の上級者には有効ですが、1週間に1度の限られた時間でしか授業に参加できない英語学習初心者にとっては、多くの場合で不十分な理解しか得られないという結果にいたります。
 また、グノーブルのような集団授業の中で、ネイティブ講師をひとり当たり数十分占有することは非現実的ですし、たとえそれだけの時間が確保できても、その程度では能力の向上はあまり期待できません。ネイティブとの会話は力試しと考えて、普段はもっと効果のある学習をすることが大切です。
 その証拠に多くのグノーブルの卒業生が、英語で高度な研究に従事したり、仕事に活用しています。ご興味のある方は過去のグノレットの記事などお読みいただければ、そのことを確認していただけるかと思います。(Gno-let vol.18 大学受験グノーブル 10周年記念号など)
英語の指導法4【耳や口を鍛える重要性について】
「耳」と「口」を鍛えて音声処理できるということは、高校生になり、一定の時間内で大量の英語を理解する必要に迫られたときに大いに威力を発揮します。リスニングのプラクティスと音読の実践は、より高度な英語スキルを磨いていく上での土台となるのです。
Q:学習をする上でテキストを解くだけでなく、音声を聞いたり、声に出したりすることを重視している理由を教えてください。
 耳や口を日常的に鍛えることで得られる効果には、多大なものがあります。特に日本語は文法的にも語彙の面でも英語との「距離」が大きく、それだけに毎日繰り返し英語を使うことが継続的な言語の習得過程においては欠かせません。
 そもそも耳と口を使わずに語学の習得をしようというのは、ボールを投げたりバットを振ったりすることなく、座学のみで野球の練習をするようなものです。
Q:市販のリスニング教材などを活用するのでは効果は少ないのでしょうか?
 グノーブルの音声教材「GSL」は授業で深く理解したポイントをダイレクトに音声化したものです。ピアノなど特定の技能を習い始めた初心者は、先生やコーチがいなくなると急に練習がはかどらなくなって結局練習を放棄してしまうということがよくあるかと思います。それは英語学習においても十分に起こりうることです。
 その意味で単なる市販のリスニング教材とは違い、毎週の授業中でのポイントの1つひとつを再現性の高い音声で、聞き取り、音読練習できるグノーブルのこのシステムは、生徒の日常的な英語への関わりを高めると自信を持ってお伝えすることができます。
Q:毎週の学習内容をすぐに自宅でも繰り返し聞くことができるというのはすごいですね。
 さらに言うと、この「見る」「聞く」「声を出す」「書く」という練習の有効性は、multi-sensory approaches(多数の感覚を使っての取り組み方法)という考え方の中にも見てとることができます。我々人間の脳は「五感」による刺激を通して進化してきているので、情報処理を行う際に多数の感覚を使ってその情報を統合すると学習効果が最大になるというものです。言語学習以外の分野でも「視覚」「聴覚」「触覚」を使って効果を上げる方法はよく使われますが、「見て」「聞いて」「声に出して」「書き取りをする」という作業はまさにそれに一致するものです。グノーブルでは前の週に学習した内容を確認する「ディクテーションテスト」を授業の最後に実施します。我々講師は生徒の皆さんの日常的な練習状況をここで確かめています。
 このように「耳」と「口」を鍛えてインプットの面でもアウトプットの面でも音声処理できるということは、高校生になり一定の時間内で大量の英語を理解する必要に迫られたときに大いに威力を発揮することになります。そして情報社会であるからこそ、情報処理能力がより一層大学入試でも要求されますし、大学入学後も、社会に出てキャリアを重ねていく際にも当然必要になります。つまりリスニングのプラクティスと音読の実践は、より高度な英語スキルを磨いていく土台となるのです。
充実した学校生活を過ごせるように
宿題の量は決して多くありません。したがって塾の宿題を学校で「内職」する必要はありません。
Q:音声教材「GSL」を含めて家ではどれくらい宿題をする必要がありますか?
 英語の学力をしっかりと維持していくためには長時間である必要はありませんが、毎日、英語の音に触れていることが大切です。この点は楽器などを習得することと全く同じですね。中学生の「GSL」は文法のポイントがつまった例文が中心なので、授業で習った内容を理解した状態で聞き直し、まねして音読することを、毎日15分程度するように勧めています。
 また、中学生に限らずすべての学年で問題を解いたり、提出する英作文を書いたりといった一定量の宿題を出しています。
 これらすべてについて週に何時間くらいかかるかというのは、個人差もあり申し上げにくいのですが、総じて言えることは宿題の量としては決して多くはないということです。したがって塾の宿題を学校で「内職」する必要はありません。むしろ大量の宿題を課し、授業がその答え合わせに終始するようなことはあってはならないと思っています。
Q:カリキュラムの進度は早いのでしょうか。
 一般的な中高一貫校のカリキュラムに比べると、それらより少し早い程度になると思います。グノーブルで学習をしていれば、中学校で学ぶときは復習と感じる生徒が多いようです。
中学1・2年生で学んでおきたいこと
大学入試で求められる高度なレベルの英語力を身につけるためには、日常の挨拶レベルの英会話とは違った、話すための材料や道具をインプットしておく必要があります。
Q:2020年度から予定されている「大学入学共通テスト」の4技能(聞く・話す・読む・書く)評価について、中学部としてはどのようにお考えでしょうか。
 従来の入試でもすでに「聞く」「読む」「書く」力は試されてきていますので、やはり「話す」力の方に目が行きがちだと思います。
 もちろん、挨拶をしたり、近況を報告したり、買い物ができたりといった日常的なコミュニケーションを英語でできるようになることは大切なことです。
 しかし、大学入試で求められているのは、高度で学問的だったり抽象的な内容について、英語で文献を読み、理解し、それを論文などの形で自分の文章として表す、あるいはプレゼンテーションする、このような英語の力です。こうしたレベルについて話せるようになるためには、その前段階として、話すための材料や道具をインプットしておく必要があります。その意味で中学1・2年生の時期はインプットがとても大切な時期とも言えます。
Q:インプットというのは英語の音を聞くということでしょうか?
 もちろんそうしたことも重要です。それも漫然と聞くのではなく、理解しながらしっかりと音声を聞き取れるようにし、自分でもそれをすぐに引き出せるようにする訓練を習慣化することはとても大切なことです。
 ただしそれにとどまらず、いろいろな文法表現や、基本的な英文の理解など英語力の基礎を徹底して身につけるのが、この時期のインプットなのです。

※なお、グノーブルでは2020年度から中学1年生を皮切りにして教材の全面改訂をします。小学校で英語が正規教科として導入されましたので、グノーブルにおいても中学1・2年生で、何を学習しインプットしていくべきなのかを見直し、新たに組み直します。
Q:今はインターネットの普及によって生の英語に触れられる機会も増えていますが、そうしたものを利用するのは有効でしょうか?
 海外の番組やTED(Technology Entertainment Design)の講演など、生きた英語の素材に容易にアクセスできる時代になりました。ある程度の下地のできた段階ではとても有効だと思いますが、中学生のうちはまだそうしたダイレクトな英語を理解するのはなかなか難しいと思います。そういった意味でも、各学年の習得段階に合わせた英文を提供できる「GSL」による学習は有効なのです。
主体的に学習に取り組めるようになるには
楽しくなければ単にやらされているだけになってしまう。毎日コツコツ何かを続けていくためには、その背景に楽しむ気持ちが必ず必要です。
Q:忙しくてなかなか勉強する習慣が身につかないという生徒も多いと思います。何かコツのようなものはあるのでしょうか?
 その点においてもやはり学習のポイントになるのは音声教材「GSL」を使った音読ということになります。
 英語らしく音読できているという実感が持てるようになると、それを楽しいと感じるようになってきます。楽しくなるというのはとても重要で、逆に楽しくなければ単にやらされているだけになってしまいます。毎日コツコツ何かを続けていくためには、その背景に楽しむ気持ちが必ず必要です。英語の場合は、英語の音を自分で声に出せるようになると楽しいという気持ちが生まれ、音読するのも苦でなくなります。それが続ける原動力になるのです。
Q:楽しさを感じることが継続の原動力になるということですね。
 さらに言えば、知らなかったり、よくわからなかったことが、整理できたり体系化できて理解できるようになったときはうれしいですし、意欲が湧いてくると思います。生徒たちは授業を通してこうした体験を積み重ねていくことで、モチベ―ションも向上し、ますます学習に主体的に取り組めるようになるのです。
 もちろん英語に限らず、学習には最低限知っておかなければならないこと、暗記しなければならないようなことは当然あります。ただし、グノーブルではただ丸暗記を強いるのではなく、こうした生徒の意欲につなげられるように常に気を配っています。
東大・医学部受験など志望校に向けた学習について
難関大学であるほど英語に関することに加えて、様々な分野における一定以上の教養が必要になります。何が問題となっていて、それを英語ではどのように議論されているかを知っている必要があるのです。
Q:東大受験や医学部受験に向けてどのような準備が必要でしょうか?
 個々の大学や学部で要求されるような力を本格的に養うのは高校生になってからです。中学生の段階ではあくまでその土台の部分をつくることになります。
 そもそも英語については東大だから、医学部だから何をするというよりは、グノーブルとして身につける英語力がどういうものであるかを、これまでお話ししたことから汲み取っていただくことの方が大切だと思います。
 また、難関大学であるほど、英語に関することに加えて、様々な分野における一定以上の教養が必要になります。何が問題となっていて、それを英語ではどのように議論されているかを知っている必要があるのです。
Q:日頃から興味関心を広げておくことが大切ということでしょうか?
 授業前に本を読んでいる生徒をよく見かけますが、日本語のものであったとしても活字から情報や知識を得る、読むことに対して抵抗がないというのはとても大切なことだと思います。
 入試では大学、学部を問わず経済や物理、生命倫理、環境問題など幅広い英文が出題されるので、興味の幅を広げ、いろいろな情報を吸収していってほしいと思います。
英検など検定試験に関して
「全然自信がない」と言っていた生徒さんでしたが、模擬面接をしてみると授業のリーディングの際に出てきた英語表現を所々で活かしながら答えてくれていました。予想通り「合格しました」という報告を受けました。
Q:英検などの検定試験が「大学入学共通テスト」に採択されましたがグノーブルでは何か特別な対策をしているのでしょうか?
 この点についてはご関心をお持ちの方が多くいらっしゃるかと思いますが、そもそも英検とTOEICを比べてもその内容や当初の実施目的には相違があり、これを「共通の尺度でレベル判定することには無理がある」という見解が少なからず出ています。
 このため、いまだに様子見の段階が続いており、東大や京大など実質的には大学入試の合格判定に用いないとする大学も数多くあります。今後も英語の試験に関してはそれまでの方針が撤回されたり、新たな発表があったり、多少の混乱は継続していくものと思われます。
Q:現状では大学入試との関わり方がはっきりしていないということですね。
 それだけに生徒の皆さんも保護者の方も、また我々指導者も、大学入学後に通じる本質的な英語力を鍛えることを第一に日々取り組むべきだと考えています。アカデミックな場で活かせる英語力そのものを鍛えていくことが、大学に評価されないはずはありません。高校1年生や過去に担当していた高校2年生のクラスでは、11月や2月頃に「面接練習をしてください」と生徒から言われ、授業後に模擬面接を行うということがよくあります。授業の中で特に検定試験の対策を行っているわけではありませんが、皆さん1次試験を突破して面接練習の相談をしてくるので、実際にそれだけの力を授業で身につけてくれているということになります。
Q:具体的に生徒さんからの相談にはどのようなものがありましたか?
 ある生徒さんと面接の練習をしたとき、本人は最初「全然自信がない」と言っていましたが、いざ模擬面接をしてみると、授業のリーディングの際に出てきた英語表現を所々で活かしながら答えてくれていました。ネイティブのような流暢さはありませんでしたが、内容面では十分に合格水準だと思えましたので、本人には「面接してくれる先生と友達になるような気持ちでがんばってください」と伝え、特別なアドバイスをするということもありませんでした。予想通り、その生徒さんからは「合格しました」という報告を受けましたが、それは英検対策をしたから合格したのではなく、いつもの復習と練習が合格につながっただけなのです。
Q:普段の学習自体がすでに対策として十分だったということですね。
 その生徒さんは中1生のときから、授業の最後に行う「お帰り問題」(前の週のGSLの音声を書き取るテスト)がしっかりできていました。英語学習の入門段階から「理解する」「聞く」「声に出す」「書き取る」という学習サイクルが確立していたということです。
 重要なのは日頃から新たな知識が次につながるよう有機的に理解し、理解したことを日常的に練習するということです。この原理は各大学独自の試験で結果を出すプロセスと何ら変わりはありません。余計なテクニックや情報に振り回される必要はないのです。
これからグノーブルで学ぼうと考えている皆さんへ
英語は力がついてくると安定して点数がとれるようになる科目です。その結果、勉強全体に自信が持てるようになります
Q:夏期講習などの季節講習はどのような学習内容なのでしょうか?
 英語の場合はそれまでの授業の復習が中心になっています。例えば、夏期講習では、4~7月の通常授業の要点も含めて計8日間学習します。夏にがんばれば、挽回して9月から良いスタートが切れるカリキュラムです。
 また、中学3年生の夏期講習時に開講する「基礎英文法」は中学1・2年生時の英文法、関係代名詞、助動詞などの要点を4日間でまとめて学べます。少しスタートが遅れて始める生徒さんにおすすめの講座です。
(2020年夏期講習では「基礎英語文法」は開講いたしません)
Q:冬期講習についてはいかがでしょうか?
 中学1・2年生は通常授業での既習内容の復習になります。1年生は少しずつ平易なリーディングを行うことになり、2年生は中学英文法を総まとめした内容になるので「基礎的な英文法」を俯瞰する上で有効な4日間になります。夏期講習においてもそうですが、通常授業時に練習する音声教材をベースにした「GSL」を講習時にも配信しますので、受講する8日間または4日間以外の休みの期間も習った内容を音声でプラクティスするということが実践できます。つまり授業に参加する日程以外にも、グノーブルの英語学習を継続できるとお考えください。
 3年生の冬期講習については少し背伸びをして、大学入試基礎レベルの英文読解を音声つきで行っていきます。その中では「いかに英語の語彙を構築していくのか」ということの入門的な指導をクラスレベルを問わず行いますので、中学での英語学習から一歩進んだ高度な英語学習の入り口として活用していただくことができます。
Q:春期講習についてはどうでしょうか?
 2年生の春期講習だと、全4日間のうち前半2日間は動詞の使い方を中心とした通常授業の復習が中心です。そして後半2日間でグノーブル生たちにとっても新しい内容となる「現在完了」について学習します。現在完了は日本語にはない表現の仕方になりますので、ネイティブがどのようなイメージで現在完了の表現を使うのかを丁寧に説明します。
 3年生の春期講習は、「そろそろ大学受験に向けて本格的なスタートを切りたい」という方にはとても勉強を始めやすい内容です。準動詞や関係詞、完了形や受動態など英語を理解し、使う上で特に大切な知識を整理することができます。また夏期講習、冬期講習と同様に授業内容が「GSL」として配信されますので、新学年が始まる生徒の皆さんの意欲が高い時期に繰り返しご自宅でプラクティスに励んでいただけます。
Q:最後に、これから学ぼうとする方々へメッセージをお願いします。
 まず現状の英語の得意不得意は気にしないでほしいと思います。がんばりたいという気持ちがあれば私たちが手厚くサポートしていくので、まずはその気持ちを大切にしてください。
 ただし、グノーブルは授業をただ聞いて終わりというわけではなく、音声教材「GSL」を活用するなど、独自の学習法があります。自分の時間の中で英語の音を聞いて、音読をするということを習慣化できれば、力がつき、安定して点数をとれるようになる科目が英語です。その結果、勉強全体に自信が持てるようになります。ぜひがんばっていきましょう。