生き物の世界には、不思議がたくさん詰まっています。
高校生物を学ぶことは、そうした不思議を解き明かす旅に出ることです。
その旅では、ものごとを捉えるための“4つの見方”が、大きな手助けになります。

たとえば、「呼吸」という現象を例に考えてみましょう。
私たち人間を含む多くの生き物では、一つひとつの細胞が呼吸をしています。

第1の見方:メカニズム
どうやって呼吸は行われているのか?
実は、細胞内で数十にも及ぶ化学反応が連鎖的に進むことで、呼吸は成り立っています。

第2の見方:意義
呼吸はなぜ必要なのか?
それは、ATPという“エネルギーの通貨”を生み出すため。
この仕組みがあるからこそ、私たちは動いたり考えたりできるのです。

第3の見方:個体発生
受精卵から始まった命が、どのように呼吸の仕組みを持つようになるのか?
3兆個の細胞すべてが、同じ呼吸のプログラムを受け継いで成長していきます。
驚くべきことに、この仕組みは“お母さん由来”。
お父さんは関与していないのです!
なんだか不思議で、ちょっと笑ってしまいます。

第4の見方:系統発生
生物の進化の物語です。
私たちの祖先は、はじめ呼吸をしていませんでした。
しかし、10億年以上前、ある細菌が祖先の細胞に入りこみ、共生を始めたことがきっかけで、呼吸という機能が生まれました。
こんなことまで明らかにできるなんて、科学って本当にすごいと思いませんか?

高校生物を通じて、こうしたものの見方を身につけるのは、なんと楽しいことでしょう!
不思議な生き物たちの世界を、さらにクリアに見えるようになるお手伝いをします。
そして、大学入試という山もいっしょに乗り越えていきましょう。