『源氏物語』には物語の始まりを説く次のような一文があります。

ありのままに言ひ出づることこそなけれ、良きも悪しきも、世に経る人のありさまの、見るにも飽かず聞くにもあまることを、後の世にも言ひ伝へさせまほしき節々を、心に籠めがたくて言ひおきはじめたるなり。

「物語は、見聞きするだけでは物足りない、未来にも伝えたい世の中のものごとを、心に秘めきれずに書き残したことから始まった。」意訳するとこのような内容です。
作者・紫式部は、フィクションの中に現実世界の本質を描き出す物語の特性を高く評価していました。

一般的に古文の勉強というと、暗記ばかりでつまらないという印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、私は文法や単語の知識はあくまでツールのようなもので、古典の醍醐味とはその内容を理解することにあると考えています。
ツールは持っているだけでは意味がありません。
知識を使って、書かれている内容をひも解き、その中から現代にも通じるものごとや『源氏物語』が語るところの「未来にも伝えたい世の中のものごと」をくみ取った時に、古文学習の面白さは実感できると思うのです。

グノーブルの授業では、文法や単語を習得するだけではなく、ひとりひとりが古文を楽しみながら読めるようになることを目標としています。

皆さんも、私と一緒に、ただ覚えるだけの古文学習から、内容を理解し味わう喜びを発見してみませんか。