歌のさまを知り、ことの心を得たらむ人は、大空の月を見るがごとくに、いにしへを仰ぎて、今を恋ひざらめかも。
------------------古今和歌集仮名序

皆さんは、「古典」が好きですか?
皆さんは、何のために「古典」を学んでいますか?

「学ぶ目的が何であれ、知らなかった世界を知ることはとても楽しいことだ」と私は思います。
私は14歳の秋に『平家物語』を読み、源平の武将の格好良さに惹かれて、古典に興味をもちました。
『万葉集』を読み、今も昔も変わらない恋心にときめいて、古典が好きになりました。
『枕草子』を読み、何気ない日常の面白さに気づかされて、古典に心を奪われました。

せっかく勉強するなら、その科目の面白さに気づくことができれば、これほど素敵なことはありません。
授業では、皆さんとのコミュニケーションを大切にしながら、古典のもつ面白さも共有したいと思っています。
「昨日まで文章の意味も分からなかったのに、今では登場人物の性格までイメージできるようになった! 古典って意外と面白いかもしれない!」と、皆さんが少しでもそう思ってくださるように、精一杯お手伝いします。
もちろん、すでに古典が大好きという方も大歓迎です。

百年も千年も前に、この国で生きていた人々の日常や頭の中を、一緒に覗いてみませんか。
古の日本人が残してくれたタイムカプセルを、一緒に開いてみませんか。
古文への理解を深めて、その本質に近づき、大空の月を見るかのようにかつての日本を仰いで、古の“あの時”を恋い慕おうではありませんか。

国語科講師として、皆さんと一緒にこの旅を始められることを、楽しみにしています!