化学担当：三田村 大凱（みたむら たいが）

化学は、理科の中でも特に生活に密着したサイエンスです。
石鹸で油汚れを落とす――そんな当たり前の光景も、化学の視点を通して見ると、まったく違った世界が広がってきます。
あるいは、スーパーで食品を買ったとき、原材料表示の欄には見慣れない名前の物質が並んでいたりしますよね。
人間は、本能的に「よく分からないもの」を怖れてしまう生き物です。
でも、化学を学べば、そこに書かれているのが実はありふれた、ごく身近な物質だということが分かるようになります。

また、化学は“日常”であると同時に、“魔法”でもあります。
透明な液体が一瞬で真っ黒に変わる――そんな不思議なマジック（これは「ヨウ素時計反応」といいます）も生み出せますし、「この物質とあの物質を組み合わせれば、こんな薬が作れる」といったように、実験室から実社会へとつながる発見を届けることもできます。
こうして考えてみると、あの有名な魔法学校の映画の世界も、まんざら遠い話ではないような気がしてきませんか？

理科は「暗記科目」と思われがちですが、最初はなんとなく覚えていた知識も、学びが深まるにつれて「自分で説明できる論理」へと変わっていきます。
化学の授業では、「なぜ？」という疑問をできるだけたくさん考えながら、確かな学力を育んでいただきたいと思います。

さあ、皆さんも新しい魔法を身につけて、私と一緒に“一人前の魔法使い”を目指していきましょう！