中学生の数学
-生徒たちが頭を使うこと自体を楽しいと感じ、数学の世界に興味を持てるように導くことを重視しています-
生徒一人ひとりとつながる
毎回の添削を通して、一人ひとりの弱点をしっかり把握し、クラス全体に欠けているものを感じ取ります。活発な授業は生徒たちを能動的にし、一人ひとりの顔を自然に輝かせます。
Q:生徒さんのノートに講師からのコメントが書き込まれていますね。
中学1・2年生は毎回、宿題を提出してもらうようにしています。宿題ノートにはルーズリーフを用意してもらっていて、講師がそれを回収して添削やコメント入れをし、全員に返却しています。
Q:グノーブルではどの教科も添削を重視していますが、なぜ添削を大切にしているのでしょうか?
まず、添削を通して生徒一人ひとりをしっかり把握することができます。私たち講師は、この生徒は図形が得意なんだな、二次方程式ではこういうミスをする傾向があるんだななど、生徒の様子をすべて頭に入れて毎回の授業を行っています。
例えば授業の中で、ある生徒が宿題で間違えていた問題が出たときは、意図的にその子を指名してみて、正解できたら「あ、ちゃんと復習しているよね、よくがんばったね」と声をかけたりします。こういうやりとりを通して、なかなか質問にこれないような大人しい生徒さんでもきっかけをつかんでくれますね。生徒にとっては、しっかり見てもらえているという安心感、学習のモチベーションにつながると思います。
Q:添削によって講師が一人ひとりをしっかり把握することができるということですね。
提出された宿題を毎回添削することで、クラス全体に欠けているものを感じ取り、それを授業に反映させています。関数の理解が浅いなと思えば関数の演習問題を多めに扱うようにしようとか、計算力が弱いなと感じれば計算を少し多めにやろうとか。毎年同じことを同じようにやるのではなく、年度により、クラスにより、また個人により異なるウィークポイントを察知して、そこを強化していく授業を行っていくためにも添削は重要なのです。
Q:集団授業といえど生徒の状況に合わせた授業を行っているということでしょうか?
そうです。生徒個々の状況を把握した上で、授業ではできるだけ生徒を指名し、答えてもらいながら進めています。それによって生徒たちも主体的に授業に取り組め、教室に程よい緊張感を保てるようになります。私たちと指名された生徒のやりとりから、他の生徒も刺激を受けたり、思わぬ回答から予想外の展開になったりもします。それを楽しみにしている生徒もいます。
逆に、教室の中に座って、ただ解説を聞き、板書をノートに写す、というだけの繰り返しでは、授業に参加しているとは言えません。それでは主体的に考えることをしなくなり、頭が活発に動き出すこともありません。一方的に必要事項を伝達する授業はいくら解説が巧みであっても、良い授業とはいえないのです。面白くて活発な授業は生徒たちを能動的にし、一人ひとりの顔を自然に輝かせます。
Q:解説だけでなく、生徒も積極的に参加する授業スタイルだということですね。
はい。以前、中1の授業で千葉大の問題を扱ったときに次のようなやりとりがありました。問題は「1から30までの整数を掛け合わせると、末尾より0がいくつか並ぶ。初めて0以外の数字が現れるのは末尾より何桁目で、その数字はいくらか」というものです。
末尾に並ぶ0の個数に関する問題は以前にも扱っており、多くの生徒が答えを出せていました。問題は0以外の数字はいくらかという問いなのですが、ある男子生徒が「この問題9回手を挙げれば当たるね」と発言しました。その男子生徒に対して別の男子生徒が「何言ってるんだよ。4回手を挙げれば当たるよ」と発言しました。
私はみんなに「なるほど。それでは、その4つの数字はいくつかな?」と問いました。すると、ある生徒が「2、4、6、8の4つだ!」と答えました。
そこで私は「じゃあ、どうして偶数なのかな?」といった具合に問いかけ、子どもたちが自分たちで考え、手を動かせるように誘導していきます。(この問題は30までの正の整数の積を素因数分解して考える問題です。)
こうすることで、あきらめかけていた生徒たちも手が動き、いろいろと考えるきっかけをつかむことができるのです。
授業の進み方について
中1・2では1日の授業で2名の講師が授業を担当します。関わる講師が増えることで生徒の様子を複数の視点から見ていくことができます。また生徒の方からも質問や相談のできる講師が増えるというメリットがあります。
Q:具体的に塾での授業はどのように進んでいくのか教えてください。
学習が始まったばかりの中学1・2年生のうちは18時から2時間半の授業を、75分ずつに分けてそれぞれ2名の講師が授業を担当します。関わる講師が増えることで生徒の様子を複数の視点から見ていくことができます。また生徒の方からも質問や相談のできる講師が増えるというメリットがあります。
Q:2種類の授業の違いは何でしょうか?
先週の復習となる演習を中心とした授業と、新しい単元を導入する授業といった違いです。
Q:復習の授業の方はどのように進められるのでしょうか?
復習の授業では、まず先週までの基本事項の確認のため、確認テストを実施します。確認テストの点数はみんなで競い合っていますね。これができていないと宿題の取り組みが浅かったことがすぐにわかってしまう仕組みになっています。
その後プリントを演習します。問題としては先週学習しているものでもさらに少し難しいものや大学入試から抜粋しているようなものも扱い、その単元の理解をより深められるようにしています。
Q:新しい単元を学習する授業の方はどうでしょうか?
テキストにはその週の内容の核となる「必修」の部分が明示されていて、それ以降はその類題の演習問題がついています。解説後にすぐ演習を行うことで、解説が生徒に正しく伝わっているかを、また生徒としては教わったことを正しく活用できているかを確認し、「真の理解」を目指していきます。ここでも講師は生徒が解いている間、教室内を回り、生徒の様子を確認していきます。
中学生の場合、わかっていないときは不安そうな表情になってこちらを見ていたり、逆に目をそらしたりします。そんな時は講師の方から個別に「〇〇さん大丈夫?」と声をかけます。その時は「大丈夫です」というような答えが返ってきても、終わったあと再度声をかけてみると「先生、実はあそこダメだったんです」って告白されたりすることもありますね。
新しいことを正しく伝えることはもちろん大切ですが、生徒の理解の具合にも常にアンテナを張って、独りよがりの授業にならないように気をつけています。
Q:生徒一人ひとりに声がけされるのですね。
集団授業ではありますが、基本的には全員と1対1の紐でつながっているのがグノーブルの授業のイメージです。生徒たちもそれは敏感に感じ取って、しっかり見てもらえているという安心感を持つことができていると思います。
学校と塾との両立を大切にする
大学受験の準備のために中高での貴重な経験を逃してしまうのは、本末転倒ではないでしょうか。
Q:宿題はどのくらい出されるのでしょうか?
生徒の取り組み方によってかかる時間は様々ですが、きちんと授業で理解を深めることができていれば、中学1年生で週1~2時間程度で終えることができるはずです。中学3年生でも週に3時間程度でしょう。宿題は自分たちで丸をつけ、直しもしてもらいますが、記述する問題については講師がチェックするので丸つけをしないように言っています。
Q:意外と少ない量なのですね。
これは数学科というより、グノーブル全体の方針ですが、生徒の皆さんには充実した学校生活を送ってほしいと思っています。せっかく憧れの中高一貫校に入って、授業中に塾の宿題をやっていたり、部活も学校行事も中途半端というのは、あまりにもったいないことです。
というのも、学校行事に積極的に参加し学校生活を楽しむことは、生徒たちにはかけがえのない経験になります。何かに打ち込むという意味でも、周りの人たちと協力し合うという意味でもです。主体的に学校生活を送ることができている生徒は、将来大学に入ってから他大学や海外の学生との交流や、さらに社会に出てからも様々なネットワークを活かして活躍していけるでしょう。大学受験の準備のためにこの貴重な時期の経験を逃してしまうのは、本末転倒ではないでしょうか。
グノーブルに通う生徒の多くは部活動もしているので、部活もやりながら塾との両立もできるよう、授業の振替などの仕組みも含めて学校生活とうまくバランスがとれるように心を配っています。
楽しみながら学ぶことの大切さについて
自分自身で「そうか!」と気づき、「自分で手を動かして考えた」と思えないと問題を楽しめませんし、考える力は身につかないのです。
Q:中学生の数学の指導の上で大切にされていることはなんでしょうか?
中学1・2年生の頃はまだ大学受験まで時間もありますし、カリキュラム的にも少し余裕があるので、まずは生徒たちが頭を使うこと自体が楽しいと感じること、数学の世界に興味を持ってくれるように導くことを重視しています。
例えば、中学1年生の授業で絶対値がついた方程式を宿題にすることがありました。絶対値を本格的に学ぶのは高校1年生ですが、生徒たちは一生懸命取り組んでくれます。
しかし、ただ解いて終わりではなく、その問題を通して独学では到達しにくい様々な視点に気づけるように工夫しています。こういう経験を重ねることで、生徒たち自身の着眼点が養われていきます。それがその後の発想力の豊かさにつながるのです。
この問題の場合では、方程式の解の位置をグラフ(関数)を用いて視覚化することで、答えるべき位置、解の個数がひと目でわかるという説明をします。中学1年生にはまだ少し難しい話でも、いえ、難しい話だからこそ、明快にわかると喜びは大きく、生徒たちは目を輝かせます。その後、解の個数を変えるにはどうしたらいいのかとか、どうしてこの解が存在しないのかなど、いろいろ考えるきっかけを与えていくと、みんな夢中になって考え始めてくれます。
Q:柔軟な発想を身につけることが大切ということですね。
はい。授業で扱う問題を選ぶときは、教える側に「こういうことを教えたい」という思いがありますが、常にそこに至るまでにはいろいろな見方ができることにも気づいてもらえるように導いていきます。
視点が変わると見え方が変わったり、隠れているものが見えてきたりしますから、生徒たちも「なるほど!」という思いを感じ、楽しみながら考えるようになるのです。別の見方に気づくことや考え続けることの積み重ねが、数学的思考の幅を広げ、抽象化する力を高めることにもつながります。
Q:そのように中学生の興味を惹きつける課題を提示するのは難しくないのでしょうか?
日常の添削を通じて、生徒たちのことをよく把握しているからこそ適切な課題を示すことができます。「もうちょっとでわかる、解ける」「あと一歩」くらいの問題に触れることが生徒たちにとって大切なことですが、この微妙なさじ加減は教える側の力量が問われますね。
また、生徒たちの手が止まってしまいそうになったときには、ヒントの与え方も大切になります。自分自身で「そうか!」と気づけること、「自分で手を動かして考えた」と思えるような導き方が必要です。それをしないと問題を楽しめませんし、考える力は身につかないのです。
各学年で身につけておきたいこと
証明問題は、意外なことに中学受験で算数が得意だった生徒がつまずくことがあります。答えを出すことは得意でも、自分の考えを順序立てて答案に表すことが苦手な場合もあるようです。
Q:数学を学んでいく上で、中学1年生が身につけておきたいことはなんでしょうか?
中学1年生に関しては、「一次関数」と「証明問題」がポイントです。
関数は高校数学の大きな部分を占める単元です。見方によれば、この世の中は関数でできていると考えることもできるくらい重要な単元です。実際に授業でもこの概念を初めて伝える夏期講習ではしっかり時間をとって学んでもらいます。
証明問題は、意外なことに中学受験で算数が得意だった生徒がつまずくことがあります。答えを出すことは得意でも、自分の考えを順序立てて答案に表すこと、相手に説明することが苦手な場合があります。特に感覚的に算数を解いてきた生徒はうまく説明できないようです。必ずしも全員そうだというわけではありませんが、注意を要するところです。
Q:中学2年生についてはどうでしょうか?
グノーブルでは中学2年生の10月頃までに中学数学の範囲がほぼ終わるカリキュラムになっています。中学数学は三平方の定理を軸として様々なものの基礎になると考えられるので、ここはしっかり押さえておきたいところです。そして三平方の定理を理解する上では二次方程式とルートの考え方は絶対に必要です。この3つはしっかり学んでおきたい単元です。それらが身についていれば、高校の内容にスムーズに入っていけますし、逆にそれができないと、この先でつまずく原因になります。
中学2年生の後半になると数ⅠAが始まり、二次関数という高校数学の土台となる単元を学習します。この時期の学習もとても大切です。
Q:中学3年生ですでに高校数学に入っているのですね。
中3の前半は数ⅠAを中心に、中3の後半は数IIの内容である「図形と方程式」「三角関数」を学びます。高校数学の関数単元の土台になっているのが二次関数ですね。そのためここは本当に大切で、二次関数がわからなくなると高校数学のあらゆる場面で相当苦労することになります。
高校数学はあらゆる単元が結びついているため、どれが一番大切とは言いにくいのですが、特にいろいろな単元と関わりのある単元が二次関数、三角比なので、ここはがんばってほしいところです。
Q:高校まで視野に入れるとどういった流れで学んでいくことになるのでしょうか?
大きな流れで考えると中学1・2年の頃は数学的なものの見方を学ぶ時期といえるでしょう。まだ時間もあるので、数学の世界に興味を持ってくれるように導いていきます。
中学3年・高校1年の頃は知識を蓄えていく時期です。高校数学というのは一つひとつの単元で必要となる知識・解法をきちんと吸収していかないといけません。大きく捉えるよりは一つひとつをしっかりと身につける時期になると思います。
高校2・3年はそれまで一つひとつの単元として学習していたものを、横断的に使えるようにしていく時期です。例えば図形問題が出題されたときに、今まで勉強してきた単元から何を選択するのがベストなのかを理由を含め、考えていくことになります。初等幾何を使うのか、図形と方程式がいいのか、ベクトルの方がいいのかというのを自分の中で考えて取捨選択できるようになるのがこの時期となります。
Q:高校1年生までの学習とそれ以降だと大分、内容は異なるのでしょうか?
最終的に受験を経て志望大学に合格することを考えると、得点力を上げ、入試問題に対応する力をつけなければなりません。難関大になるほど、一つひとつの単元ができるだけでは太刀打ちできないような問題が出題されます。高校1年までの学習だけでは受からないのです。
そのため、高校1年から2年になった時の学習内容の違いに戸惑う生徒も多いです。しかし本質的に内容が異なるわけでは決してありません。それまで学習してきた単元を、使える道具、知識として組み替えていくだけなので、粘り強く学習してほしいと思っています。
数学の実力を伸ばすために
周りのみんなはどんどん解けるのに自分は一問も解けない、(1)から解けない。きちんと勉強してきたはずなのにどうしてこんなに差があるんだろうという悔しさで泣き出してしまった生徒さんがいました。
Q:実力を大きく伸ばしていくのはどのような生徒さんなのでしょうか?
東大理Ⅲに合格した生徒さんの場合ですが、中学で入塾した時は真ん中くらいのクラスからのスタートでした。その後成績が上がってきて上のクラスになったのですが、上のクラスで思考力を要する問題に多く取り組むうちに、基礎的な部分を疎かにし始め成績が伸び悩んだ時期がありました。応用的な問題は基礎力の養成とも並行して取り組むべきですので、そうしたことを個人的にアドバイスしたところ、しっかり持ち直してくれました。
その生徒さんの場合は、助言を受け入れられる素直さと、勉強を楽しむという一貫した姿勢を持っていた点がポイントだったように思います。
Q:難関大学に合格した生徒さんたちが常に上位の成績だったというわけではないのですね。
東北大学の医学部に合格した生徒さんなどは、中学生の時に初めて最上位クラスの授業を受けた際に、周りの生徒があまりに良くできることに驚いて泣き出してしまいました。ちょうど図形の授業だったのですが、みんなはどんどん解けるのに自分は一問も解けない、(1)から解けない。きちんと勉強してきたはずなのにどうしてこんなに差があるんだろうという悔しさがあったんだと思います。
Q:その生徒さんはその後どのように?
その時点で学力差があることははっきりしていたので、別の宿題を出すことにしました。自分だけみんなより簡単な問題に取り組まなければならないという現実に直面した場合、人によっては違う受け取り方をする場合があるかもしれません。しかしこの生徒さんの場合はアドバイスを信じてしっかりやってきてくれたので、中学2年生の夏過ぎには、最上位のクラスでも上位の方で安定した成績をとるようになっていました。ここでも素直に助言を受け入れられる力の大切さがわかると思います。
Q:今、数学の力が伸びずに悩んでいる生徒にアドバイスをお願いします。
確かに、すごくがんばって取り組んでいる生徒でも伸び悩む場合があります。
自分の努力に沿って常に右肩上がりに上達できれば毎日楽しくて仕方がないですが、実際には学び進めるにつれて停滞の時期が必ず来ます。しかし、この時期は次の段階にジャンプするための力を蓄えている時期でもあるのです。伸び悩む時期でも正しいやり方で踏ん張ってがんばれば、いつかそれまで苦労してもできなかったことが、まるで嘘のように楽々とできるようになる時が来ます。だから今、苦労している方もコツコツ学ぶ努力を続けてほしいと思います。
例えば小中高一貫校の生徒さんは中学受験を経験していないので、最初のうちは中学受験をされた生徒さんと差がある場合も多いのですが、コツコツ学習する習慣が身についている方が多いので、中学2年生くらいからグンと伸びる場合をよく見てきました。やはり地道な学習習慣というのが大切ということは大前提です。
東大・医学部受験など志望校に向けて
将来、人の命を預かる仕事に就こうという生徒が、ミスを連発していては困ります。しっかりとハードルをクリアできる人になってほしいですね。
Q:具体的な志望校に向けた学習に関して、中学生の段階で意識しておくべきことはあるのでしょうか?
大学や学部による出題傾向の違いというのは確かにあります。
例えば、東大の入試問題は教科書レベルの知識を超えていないのにもかかわらず、数学オリンピックで高得点をとるような生徒でもなかなか手ごわい問題が揃っています。受験生なら誰でも知っている知識の組み合わせによってこうした出題ができるというのには、毎年驚かされます。
逆に20年ぐらい前にあったような、超難問というのはもう東大ではあまり出題されなくなりました。少ない知識でも考える力を試せる整数問題や場合の数や確率の問題、また幾何的な様々なアプローチの仕方があるような問題が多くなっています。
Q:ということは、東大の問題は中学生でも解けるのでしょうか?
はい。もちろん全部ということはありませんが、一部、中学生でも扱える問題はあります。同じような傾向の京大、一橋大なども含めて中学生のテキストにはそれらの大学の入試問題が入っていて、よく挑戦してもらっています。グノーブルの中学生の授業では、元々着眼点さえしっかりしていれば知識が少なくても解ける問題、例えば、実際には高校で勉強するような内容でも中学1年生が見方さえわかれば解けるような問題、数学的な考え方が高められるような問題を多く扱っています。そうした例題として東大の入試問題はチャレンジしがいがある問題です。
Q:医学部を目指す生徒さんにとってはどうでしょうか?
逆に、医学部や東工大など理系中心の大学は数Ⅲからの出題がメインになります。大学に入ってからの授業が数Ⅲの延長になりますから、入試問題も自然と数Ⅲが中心となります。この場合は高校数学を学ばないとさすがに太刀打ちできません。
また、医学部を目指すつもりの生徒には、早い段階からミスをしないように伝えています。
Q:ミスというのは計算ミスのことでしょうか?
それも含めて、問題の読解だったりもう少し広い意味での〝ミス〟です。これには、近年医学部の志願者が増加し、難易度が上がり高得点勝負になっているということももちろんありますが、生徒にはミスを連発するようなお医者さんには診てもらいたくないな、と話しています。人の命を預かる仕事に就くわけですから、しっかりとハードルをクリアできる人になってほしいですよね。
これからグノーブルで学ぼうと考えている皆さんへ
皆さんが頭を使うこと自体が楽しいと思える授業体験がまず大切だと思っています。頭にも心にも様々な経験ができる問題を用意して皆さんをお待ちしています。
Q:2020年度からスタートする「大学入学共通テスト」に向けて数学科として新たに対応することはあるのでしょうか?
4技能評価の点がよく取り上げられる英語に比べると、数学は恐らく変化が少ないのではないかと思っています。また、記述式問題が導入されることになっていますが、元々グノーブルの授業は国立大学の二次試験にも対応できるカリキュラム、指導をしているので、共通テストで出題が予想される程度の記述問題であれば、全く問題はありません。ただし、そこまでの実力をつけるには、しっかりした指導と地道な本人の努力が必要なのは言うまでもないでしょう。
Q:新たにグノーブルに入塾するにはどうすれば良いのでしょうか?
通常授業を受講するためには、入室テストを受けていただきます。新たにグノーブルで学習しようとする人にとって、カリキュラムの点が心配かもしれません。そういう意味では、やはり各講習を受講してから通常授業で入塾するのがスムーズです。季節講習の受講には入室テストは必要ありません。特別講座を設けており、それらを受講していただくことで実力をつけ、スムーズに入室できるように配慮しています。
ただ講習を受講されないと、そこまでの内容がわかっている前提でその後の通常授業が進んでいきますので、場合によっては入室をお断りさせていただくこともございます。
Q:これからグノーブルで学ぼうとする生徒へメッセージをお願いします。
大学受験で必要とされる思考力を獲得するためには、まず基礎力を身につける必要がありますが、そもそも皆さんが頭を使うこと自体が楽しいと思える授業体験が大切だと思っています。特に中学生の指導においては、まだ多少大学受験まで時間もありますし、生徒たちが数学を楽しく感じること、数学の世界に興味を持ってくれるように導くことを重視しています。今日お話ししてきたような、程よい緊張感と活気あふれる授業の中で思考を続けることの積み重ねが、数学的思考の幅を広げることにつながっていき、数学力を高めていくのです。
また、生徒の立場で考えると、解けたときの達成感を味わう経験が次に向かう勇気につながります。自力でできたときの喜びを知っている生徒は、時に頭がジリジリしたとしても粘ることができるでしょう。「できた感」と「もうちょっと感」、「自信がついた思い」と「悔しい気持ち」など、頭にも心にも成長に必要な様々な経験ができる問題を用意して皆さんをお待ちしています。